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「ちっ…ばれたか。貴様の術が防御にまで使えるとはな…。」
大勢の孝は消え、一人に戻る。
美雪が氷の壁を張って防御しなければ、術もばれなかっただろう。
「驚いたわ…これだけレベルの高い幻術を使えるなんてね。」
「俺は幻夢一族の中でも最も優れた幻術使い。そこらのと一緒にされては…。」
「けれど、私にはもう通じない。」
孝の術の種は明かした。幻術とわかった以上、もう惑わされる事はない…と、美雪は言う。
「バカめ。そこらのと一緒にするなと言ったはず!俺の幻術は破れんのだ!」
孝が叫ぶようにそう言い放つ。
「ならば、使われる前に…。」
美雪の周囲に、再び氷塊が出現する。
「貴方の息の根を止める!」
美雪が孝に手をかざす。再び氷撃破が彼を襲った。
「ぎゃぁぁぁぁ!」
氷塊が孝の肩を、足を、頭を粉砕していく。
誰がどう見ても即死のはず…だが、孝は倒れなかった。
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