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「う、うう…な、何故わかったのだ…?お、俺の位置が…。どうやって攻撃したというのだ…?」
「貴方の位置はこれで調べたの。」
美雪が床を指す。
「こ、これは…霜柱?」
床一面に霜柱が広がっていた。美雪は孝に気取られぬようにコレを作っていたのだ。
「それを貴方が踏み、割れる音を私はキャッチした…そして、この技を使った。」
美雪の右手を冷気が包む。
「凍刃牙!」
その右手を床に叩きつけると、孝の足下から大きく鋭い氷の刃が飛び出してきた。
「ひい!?」
氷の刃は、孝の顔面ギリギリ手前で止まった。わざと止めたのだろう。
「さあ、幻術も解かれた今、貴方に勝機は残されていない…。貴方がこの空間を元に戻し、これ以上何もしないと誓うのならば、私は貴方を見逃しましょう。」
「な、何だと…!?」
「貴方も死にたくはないでしょう?ここは大人しく…」
「ふ、ふざけんなぁ!このクソアマがぁ!」
突然キレる孝。
それもそのはず…有利に戦いを運んでいたのに覆され、挙げ句情けを掛けられた…それも女に。
それらの屈辱に耐えきれなくなったのだ。
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