大刀

3/22
前へ
/136ページ
次へ
「ちっ、手間かけさせんなよ…!」 今まで歩いてきた道を戻って、鉄男を捜しにいく事にした統馬。 だが、敵はそれを許さなかった。 「!!」 突然、彼の周囲にドーム状の空間が現れた。 「な、何だ…!」 「どこへ行こうというのだ?」 背後から聴こえてきた男の声。 振り返ると、そこには長刀を持った男が立っていた。 その男の名前は確か刃毅だったはず…。 「テメェ…!鉄男に何をしやがった!?」 「安心しろ、殺しちゃいない…。ただ一対一で戦うのに邪魔だったから、下の階にいる奴のところに落としただけだ。」 「本当かよ…。本当にそうなら、俺が心配するような事は何もねぇな。」 「何もないだと?貴様のツレは俺の仲間の所に落ちたのだぞ?」 「だからよ、それが心配ねぇって言ってんだ。アイツぁビビりだが弱くねぇ…テメェのお仲間なんざ返り討ちよ。」 木刀を突きつけて、統馬は自信満々に笑う。 「ふん…そうか。ならば、自分の心配をするがいい。」 鞘から刃を抜き放ち、刃毅は統馬に刃先を突きつけ返す。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加