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キーンコーン、カーンコーン…昼休みを終える余鈴の鐘が広大な空に飲まれて儚く消えていく
次の授業はたしか…と頭の中で適当に覚えている時間割を思い出す
…剣道、か
高校に入って必修となった剣道
中学生の頃は部活でしかお目にかかることはなかったが
必修という形で強制的に押しつけられると本当にこの上なく面倒だ
まあこの学校のいいところといえば経験者が我が物顔で初心者をいたぶるといったことがないところか
逆に気を使ってくれるという良心的な方だ
空になった弁当箱をバッグにしまって教室に戻る
教室の鍵を閉めるのは自分だから少し遅めに来た方が皆が出払っているので仕事を進めやすい
「あ、どこに行ってたのよ」
…来た、面倒な奴
俺は別に悪いことをしていたわけじゃないし、何か決められていた仕事をサボっていたわけではない
むしろ決められた仕事を守っている方だ
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