日常

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「ああ」 俺はできるだけ言葉を少なくして受け取った とりあえず猪原には自分から紀乃へ貸していることを伝えているし、猪原もそれを承諾していた というより何も気にしていない以前に紀乃に話しかけるチャンスができたとかどうとか言っていた 別に自分には関係がなかったので適当に猪原の感謝の気持ちをスル―した 「ねぇねぇこのストーリってさ」 余鈴が鳴っているというのにこの女は本当に気楽なものだ こっちは残り十分を切った時間で教室の鍵を閉め、遠くの武道場へ行き着替えなくてはならないのに ただでさえ鍵当番で最後になって忙しい身なのに それに紀乃も体育館で女子は女子での科目があるというのに 本当に天然なのだろうか すでに教室の中には自分と紀乃しかいない だいたい余鈴が鳴る前に着替えているのがここの生徒の特徴だ ゆったりとしているのが好きらしい だから自分も早く行きたい
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