序章:葉月と心

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本棚を見てみる。 うわ、難しそうな本ばかり……。 漫画とか全然ないね。 私がこんなの読んだらきっと知恵熱出すよ。 と、その途中で一つの本が目に留まる。 すごく可愛らしい本。 「……『心の日記』?」 新谷の日記だ。 新谷、日記なんてつけてるんだね。 うわ、見たい……。 見たいけど良心が痛む。 流石に人の日記は、ね。 うぅ、でも見たいよ……。 ちょ、ちょっとだけ、なら……。 そう手をかけた時、 携帯が鳴る。 勝手に出ていいものか……。 そう思って名前を見ると私の名前が。 まぁということはつまり新谷からだね。 「どしたの?」 『言い忘れたことがありまして……。 本棚に日記があるんですが、 絶対見ないでくださいね!!』 んー、見てたかのようなタイミング。 でもこう言われると余計見たくなる。 「どうしても?」 『駄目です!! 絶対に見せられないことが書いてあるんです!!』 絶対に見せられない。 余計見たくなる言葉だ。 うぅ、見たい。 でもやっぱり良心が……。
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