序章:葉月と心

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お風呂に入った後は洗濯物を取り込んで寝ることにした。 早いけど、やることないし。 勉強は、宿題も出てないからやりたくない。 同じ理系だし同じ授業しか受けてないから新谷も同じ筈。 そう思って寝ようとすると携帯が鳴る。 メールか。 差出人は私。 ということは新谷だね。 『見てもいいですか?』 何を? んー、メールだと時間かかるから電話しよう。 『は、はい!!』 すぐ出る。 メールを待ってたのかな? 「見ていいって何を?」 『そ、その、お風呂に入るときに裸を……』 「気にしなくていいのに。 私はもう見ちゃったし」 『え!? 見られちゃったんですか? 恥ずかしいです』 あの身体のどこが恥ずかしいんだか。 あれで恥ずかしかったら私はどれだけ恥ずかしいのよ。 「とりあえず、見ていいから。 じゃあね」 『待ってください!! その、明日日記を持ってきてください。 やっぱり毎日書きたいので』 あ、そうだよね。 私が書くわけにもいかないし。 戻れなかった時は必要だよね。 「うん、分かった。 じゃあね」 『あ、えと……。 はい』 何か言いたそうにしたけどやっぱり何も言わなかった。 んー、何を言おうとしたのかな? まぁ言わなかったんだからいいのかな。 日記を机の上に置いておく。 明日忘れないように、ね。
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