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「…ぅ…」
光がおさまり、ゆっくり目を開ける。
その瞬間、私は言葉を失った。
……え?
ど、どういう事…?
私の目に映る景色はさっきまでいた薄暗い倉庫ではななく、見慣れない服を着ている人、見慣れない家、見慣れない風景…――
なにもかも今ではありえない景色ばかりだった。
「…ここ…どこよ。日本じゃ…ないよね…?…ってか、さぶい!!」
よく見たら周り雪積もってるし!
なんで!?普通夏じゃ……
―違う。ここ絶対日本じゃない。
なんで私はここにいるの?
固まってる私に通り過ぎる人や商売してる人―ほとんどが変な目で見てくる。
私の着てる制服が珍しいみたい…。
いや、逆に私からしたらみんな珍しいからね!?
「…ど、どうしたらいいの…」
とりあえず人気のない路地に行く事に。
あんなに見られたらたまったもんじゃない!
「…あ!ケータイ!」
私はリュックからケータイを取り出す。
ふん、今時のケータイはねぇ現在地がわかるのよ。
「…ありゃ。圏外…」
マジかよ…。
山ばっかだから電波届かないのかな?
「…っ。にしてもほんと寒い…」
私はズルズル座り込む。
「……もう何も当てがない。
私…ここで死んじゃうのかなぁ」
そう言いながら目を瞑る。
―あぁ。
これが夢だったら…ううん、絶対夢に違いない…―
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