プロローグ

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20××年4月9日。 今日から高校2年生になる私は、いつもより早く、学校に行く支度をしていた。 どうやら外は、昨夜からの雨が朝まで降り続いているようだ。 「始業式くらい、晴れればいいのに。」 と、心の中で思った。 でも、雨は嫌いではなかった。 晴れた日は自転車で学校へ行くのだが、雨の日は秘密の道を通って行く。 『秘密の道』とは、私が見つけた誰も知らない道で、近所の人でも知らない、私だけの通学路だ。 「行ってきます。」 そう言って、足早に家を出た。
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