12人が本棚に入れています
本棚に追加
リクは夕飯の時も、沈黙していた。
「………………。」
「どうしたんですか?
リク先輩…」
ネロの問いかけにも答えない。リクは迷っていた。
(レーチ…あいつ死んだはずだ……。
でも本当に、あのレーチなら…
いや、言ったら絶対、ネロはレーチの後を追っかける。
そしたら俺は…………。)
リクにとって、ネロは本当の家族のような存在。麗一が本当に、ネロの遺伝子上の親であったら、自分がまた孤独な日々に戻るのではないか心配していた。何より、あのバイク乗りが何らかの組織の手先であれば、ネロの身が危ない。
リクが重たい口を開いた。
「ネロ…」
「なんでしょうか?」
「いや、何でもない。
ちょっと、飲み屋に行ってくる。
お前は家で待機しといてくれ…」
夕飯を食べ終わると、リクは速やかに着替えて家を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!