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小日向さんは用事があると言って自宅に帰ってしまったが、突然来てかき乱して。
正直よくわからん、いやそれが悪いとか言ってるわけではなくてなら最初からそうしてくれてたら。
少なくともあのときの俺は愛というものに飢えていたし掴めそうになったけど結局冷めたわけだし。
それでも彼女が俺を受け入れてくれていたらここにいないわけだし。
「小日向は可愛いな。私は彼女を知れば知るほどやはり敗北感がある。美、というか立ち振舞がやはり可愛い。同性の私が思うぐらいだ、異性にはやはりモテるだろうな」
俺は全くそんな思いはない。
可愛いと思う、それは間違いないけど桃香のほうがいい。
お世辞なんて言うつもりもないけど桃香は違う魅力もある。
「そう?俺はあの時‥‥俺が自殺しようとしたときに引き戻されてあのあと抱きしめられて頭撫でてくれた時に産まれて初めて幸せを認識した。失神しそうになった」
「そうか?好きな男を落とそうとしてるだけだし攫って君の人生を変えた責任はあると思ってるだけだぞ、私は」
「うーん、いやそうなんだけどあんな幸福といい、桃香とあってから俺はたまに夜不安で寝れなくなったりとかなくなった。好きとか愛してるとかそういうレベルじゃない、崇拝に等しい」
これは神にあったようなもの。
もう怒らせたくないしできれば喜ばせたいとか俺はずっとそんなことばかりだ、考えているのは。
だから他が入り込む余地なんて微塵もない。
「もっとこうなんかトラブったりとか色々エピソード的なことをやってからそこまで評価を上げたい。まだ半年ぐらいしかたってないぞ。例えばこれから3年に進級したりしてとか新たにくる夏冬とか。小日向のことだってある。だ、大体私は部屋に着くとこうして君に頭を撫でてもらったり抱きしめて貰わないともうだめだし」
確かにそうかもしれない、エピソード的なのが少なすぎるか。
もう少し思い出を作ってもいいかもしれない、そんなこと考えもしなかったけど。
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