第二話・新生活なんだろうか?

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朝、目が覚めると、生徒会長橘桃香が同じベットで寝ていて俺を見ていた。 とりあえず叫んだ、やはり昨日の事は現実らしい。 「喚くな全く。おはよう、君は寝言が酷いな」 「………おはよう。ごめんなさい、寝言なんて言ってんだ、俺」 やだな、変な事言ってたら…………いやそんな事よりこの状況の方が大事じゃないか。 とにかく照れ屋というか誰でも俺と同じ行動を取るだろうと思い、ベットから出た。 「こらこら、逃げ場なんてないぞ?」 「は、はは……誤解だよ。足が勝手にね」 そりゃあ逃げたくもなる、朝御飯だと言うのだ。 だめだだめだ、何故生徒会長の両親と一緒に見知らぬ男子が食卓を囲むんだ。 金持ちの家ってそういう男女交際に厳しいという統計とか多分出てる。 ましてや一夜を共にした、なんて事がバレたら気が付いたら死んでいる、なんて事がになりかねない。 「そう警戒するな、私の母も父も人を殺めた事はないさ」 「だ、だよね………はぃぃぃぃぃぃ?あ、あのさあ……な、なにその言い方……殺す以外はなんでもしてきた、みたいな?」 良い笑顔だ、そうか、わかったぞ。 きっと俺は前に生徒会長になにかしたんだ、だけど昨日結果は助けた?みたいな事したから情状酌量の余地ありから死ぬだけは回避できたんだ。 「母は肝臓に良い料理が上手いんだ……ん?何故土下座なんだ?」 「あ、あの…勘弁していただけませんかねえ?俺はまだ死にたくないです。あ、後、肝臓とか臓器とか、売る系は……やめてください、でも橘桃香様の望むなにかを渡せそうにはありません。だから代わりになんでもします、この広い屋敷を舐めて掃除してもいいです、だ、だからっ!」 いつの間にか泣いていた。 生に貪欲にあるのは見苦しい行為かもしれない…だけど……だけど俺はまだ死にたくないんだ。 「ふふ、なにを言っているかわからないが…いいだろう。君のなんでも言うこと聞くに免じて勘弁してやる」 マリアだ、彼女は生徒会長とか容姿端麗?とかそういう肩書き以前にマリアだったんだ。
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