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生徒会活動も体育祭やら文化祭、その辺の行事やら月末が近くないときは割と早く終わる。
勿論、必要なこともあるが急ぎがなければそれなりに早く帰れてしまう。
「拓真さんって書記のくせに字が汚いって致命的ですね」
帰り道は三人で歩いて帰るのだが小日向さんはこうして俺をいじめてくる。
最近は特に酷くむしろ俺が挑発に負けて怒るのを待っているかのようだ。
実際そんなに字は綺麗だと思ってないから否定できないけど。
「ふん、拓真は字は汚いが実に記憶力がいいんだ。書記とは会議とかで話し合いを文字に起こしたりするときがやはり一番大事だろう。なにせ先生に提出したりして検討されることもあるしな。拓真はまだ間違えたりしていないぞ」
桃香は誇らしげにそういって俺の尻を叩いた。
意味がわからないが、しゃきっとしろと言っているんだ、きっとこれは。
「‥‥そういえば小日向さんってなんか習い事してなかったっけ?」
強引に話を逸らすことにした。
俺の意思なんて正直決まってるし別に彼女を邪魔だとかそういうことも思ってない。
わざわざ生徒会が終わるまで待ってるぐらいだしそういうことを含めて俺はなにか言うつもりもない。
俺はもう桃香に全てを捧げてると今このときも思ってるし彼女の為に生きると誓った。
裏切るとか他の女性に目が移るとか俺の考える全ては桃香を中心にしてる。
その彼女が小日向さんを受け入れたのだから拒絶はするけど否定はしない。
もともと嫌いではないけど。
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