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桃香は多分まだよくわかってないと思う。
俺が口下手なのもあるし説明をうまくできていない、それもあるかもしれない。
「私の人生は全てが自由であり全てが完璧だ。しかしあの一度だけ初めて誰かに助けられた。いや友達はいるしきっと友達がいたら同じように手を差し伸べてくれたかもしれない。でも君は他人で全く関わり合いがない人間だ」
「いやだからあれはたまたま‥‥」
「そんなわけあるか、調べてわかった。施設育ちである意味そんな簡単に揉め事を起こせば最悪退学もあったし。まあ弱すぎてあれだったが」
あれだって別に俺としては相手が殴りかかって来ると思ってなくて。
同じことが3回起きたらきっと‥‥いや同じようにボコボコにされるか。
「今思い出しても胸が熱くなる。拓真みたいな私より身長も低いこっぱが、立ち塞がり負けるとわかってて私を庇う行為。君は私なんかより遥かに気高く人間として完成している」
「とりあえずこっぱは酷いよ。というか気高くはない、計算高いんだよ、桃香が生徒会長だから助けておいて点数稼ぎを‥‥」
「まぁいいさ、でも拓真はもう今後一生私には逆らわないんだろ?」
「それは約束する。絶対裏切らないし命も差し出してる。桃香を不快にさせる気はないし必ず確認するし俺は生まれ変わっても桃香から受けた恩は必ず返しつづける」
勿論、小日向さんに関しても俺を産んでくれた母の家族やらには情はあるし関わりたくないという本音はあるけど。
それでもなにかあれば桃香に確認すると思う。
それに桃香のほうが大切だと思ってる。
「そういうことじゃないんだ、私が言ってるのはそこになにか使命感とか義務感があるのが申し訳ないと思ったり」
「桃香の人となり含めて俺は今では好きだし桃香がいらないと思わない限りは寄生しようと思ってる。そういう風に聞こえたらごめん」
こういうとこだろうな、うまく彼女に思いを伝えられてなくて余計な心配をかけてしまうあたりが。
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