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「ふふ、美味だろう?」
「かなり……でもお弁当作って貰うのはさすがに迷惑じゃないか?」
昼休み、生徒会の事を聞きたいと思っていたのと、今朝の事を謝ろうと桃香と昼食をとっていた。
「お母さんは拓真を息子だと思っているみたいだ。好意を無駄にする君ではないだろ?」
「そう言われたらなにも言えない。じゃあ話戻すけど、生徒会の人達って俺の事、納得してたの?」
「頭がいい、運動ができる、顔はまあ普通、そして一番大切な字は綺麗…情報は渡してある。しかし書記に決まったのに出てこない。挙げ句に生徒会長をたぶらかし育ちは良くない、劣勢だと思われる」
そうなるわな、常識的に考えて。
救いなのが生徒会長を除いて確かあと三人ぐらいしかいなかったはずだ。
大きい行事とかはクラスから二人づつ生徒会に送るし少なくてもなんとかなる。
それでも権力は大きい…部費の予算の組み立てとか生徒会が握っているし学校のグラウンドを借りるとかでも生徒会の許可が降りないといくら先生達で通っても貸せない。
生徒の代表という事からだろう。
メリットで考えれば、生徒会に在籍していた、というのは内申プラスも見込めるし昼休みで会議が長引いて午後の授業に出れなくても出たことになったりする。
デメリットはない、俺はやることないしバイトとかしてるなら話は変わるけど。
「まあ引き受けたのは俺だし頑張ってみる」
「その意気だ。ちなみにその卵焼きは私が作ったからな」
どうりでこの卵焼きだけ真っ黒で手をつけられないわけだ。
「隠し味で炭をまぶしたから香ばしくて絶対に美味しいはずだ」
「隠れてない隠し味とか隠し味じゃないよ」
勿論プレッシャーもあったけど久々に桃香と昼食だから気を遣って食べたがゴミのような味がしただけだった。
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