812人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に着くと相変わらず注目の的になる。
まだ噂というのは冷めない。
当然だ、内容が内容だけに他にこれといった話題が無い学校だからな。
それを察したのか、桃香も少し居心地が悪いようで足早に行ってしまった。
進む先が生徒会室だったから丁度いいと思いついて行った。
ずっと言おうと思っていたことがあったからな。
噂の内容も少し彼女にマイナスになるようなこともあったから。
「失礼します」
「なんだ……拓真か。どうした、私に会いたくなったのか?なら先に告白するべきじゃないか?」
軽く首を振った。
あからさまに不機嫌になったようで持っていたシャーペンを片手で折りやがった。
恐ろしいが、これはけじめでもあるし言っておかないとね。
「ごめんなさい」
「………は?………まさか母さんに手を…」
「違います。そうじゃなくてほらさっき色々言われてたじゃん。俺が桃香に関わったせいだろ?だから邪魔してごめん」
ここに尽きる。
俺が余計なことをした。
漫画とかの主人公みたいになにかがあるわけでもないのにな。
「ここは進学校だ、恋のひとつで話題になるのも当然。大体私は生徒会長だ、予想以上に騒ぐのは当たり前だ。違うのか?」
「俺が桃香と同じぐらい……とはいかずも普通だったらきっと羨ましがられたりするだけだったよ。けど違うじゃん。確実に桃香の人生の邪魔をした。だからごめん、考え無しに行動したの俺だから」
それに助けなんていらなかった。
彼女は強い、きっと俺の何倍も…。
にも関わらず俺は感情で動いて彼女に迷惑をかけている。
最初のコメントを投稿しよう!