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そして冒頭だ、何故だかこの人は俺に惚れたらしい。
何らかの罰ゲームか…だって俺はそんなに格好いいとか無いし今まで女の子と付き合うとかそんな展開はない。
部屋にまた出戻りだ、俺の力を遥かに凌駕する。
うん、逆らえなかった…言い訳をするのであれば女の子には手をあげない主義なんだ、キラ☆。
「さて何も言わずに悪かった。事情を説明してやるからそんなに怯えるな、可愛いな、君は」
「べ、別に怯えてねえよ。とりあえず簡単に」
「君が欲しくなった」
「………………」
「………………」
お互い顔を合わせ首をかしげた。
は?それだけ、と思う俺にたいして彼女はなんて思ったのだろうな。
「もう少しだけ詳しく」
「チッ、面倒だな。だから拓真……ふふ、名前を呼び捨てにしてしまった。それより拓真だから拓ちゃんとかの方がいいのか?」
「お願いします、説明を続けてください」
「全く、ノリが悪いな。だから拓真……ふふ、なあ桃香と呼んでみてくれ」
駄目だ、コイツ…狂ってやがる。
けどなんか初めてみた微笑み…純粋に喜んでいる様子はなんだか少しだけ心が和んでしまった。
「言わないと話さないぞ?」
「……………も、桃香」
「ほ、ほぅ…ま、まあいいだろう。だからあれだ、君の身元を私の両親が引き受けた。私には金がある、バイトもやめさせたし寮もやめた。君は私の部屋で暮らす。以上だ」
「ふ、ふーん。じゃあとりあえず寝るわ」
「ベットはひとつだ。もう一度言うがベットはひとつだ」
適当に頷いて寝ることにした。
あれだ、きっと夢だ。
最近バイトを入れすぎていたからな、疲れがたまっていたんだな、きっとそうだ。
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