否定的な檻

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~でありたい。 ~になりたい。 ~ねばならない。 私自身を奮い立たせるために 向上心という楔を打って 人生を登ってきた。 それはいつか槍のように伸びて 私の周りを取り囲み 身動きできない檻となった。 どこにも行けなくなった私は たくさんの失望感に襲われ 自分の過去、現在、未来すべてに絶望した。 でも その絶望が 醜い欲望から 私を解放してくれた。 絶望の先にも光がある。 もう楔は打たない。
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