第二章 ミラーズ

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中には、あの鏡の少女がいた。この部屋だけはずいぶん明るかった。窓の封鎖が完璧ではなかったからだ、隙間から光が差し込んでいる。少女はスコットの顔を見ると勢い良く飛びついてきた。スコットはそれを受け止めると、跪いて少女と同じ目線まで顔を下げ、口の前に人先し指を立てた。 すると背後で気配がした。ドアが勢い良く閉まる。閉じ込められた。つけられていたようだ。 「ぬかったな、これは。」 「おじちゃん。キミーを助けに来てくれたの?」 「キミー?…ああ、君の名前かい?」 「うん!」 「俺は自分を名前で呼ぶ女は信用しないんだ。君も今のうちにその癖は直したほうがいいよ。信用されなくなるぜ。」 「うん、わかった!」 「よし、じゃあとっとと脱出するか。」 スコットは窓に近づく。 「そっちはだめっ!」 少女が叫ぶと同時に、スコットは窓を塞いでいた板を蹴破っていた。 部屋の中に光が差し込んだ。こんなにも青い部屋だったのかと驚かされた。その時、ベッドの下から素早く何かが這い出してきた。 「私と一緒に捕まった子はそいつに殺されたわ!そいつは窓を開けた人間を襲うの!」 女の子が殺された?先に言ってくれ。知っていたら来なかった、などと思いつつ目を凝らす。ベッドの端からは確かに、血のようなものが流れ出していた。
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