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「おぎゃー。」
「殿。若君でした。」
「なぁまつ。この子の存在はないことにしてくれないか?」
「どうしてでございます。
私が商人の娘だからですか?」
「そうではない!正室を持たぬ儂が外で子を作ったとなっては示しがつかぬ。」
「…。わかりました。」
「金はたっぷり払うゆえ安心するがよい。だから心配はするな。」
「はい。近いうちにここを去ります。最後に殿。
この子の名を付けて差し上げてください。」
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