228人が本棚に入れています
本棚に追加
――道端で人が倒れてるなんて、ベタ過ぎない?
私、天馬 聖羅(たかま せいら/17歳)は見間違いかと思いながらも公園の中のその物体に近付いた。
認めたくはなかったけど、どうやら其れは人らしい。うつ伏せで顔は良く分からないけど、男性。細身で、別に流行りでは無いが格好良い服を着ている。
「…平気ですか?」
余り関わりたく無いけど、無視するのも気が咎めて、遠巻きながら意識確認をしてみる。
「……………。」
返事無し。
もしかしてとは思うけど、死体?私、第一発見者!?やだっ!勘弁してよっ!!私は面倒事嫌いなのよ!
…妄想爆発。
「どーしようっ!!」
「…ん」
……「ん」?
ふと聞こえた声で現実に引き戻された。
私の声では無い。って事は、この人?
「…生きて、る?」
「……」
やっぱり反応無し。
とりあえずつついて見ると、微かながらも身じろぎをした。
良かった、生きてる…。
「あ、あの…動けますか?」
「…ぅ」
「肩、貸しますから、ベンチに行きましょう?」
「ん…」
小さく頷いたのを見て、倒れてる彼の腕を肩に掛ける。
意外に重くて戸惑ったが、考えて見れば人なのだから其れなりに重いに決まってる。
最初のコメントを投稿しよう!