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美牧町と言う、都会以下村以上で町よりちょっと下の位の田舎で地元校のアルカディア女学園、通称アル女へ転校した。と言っても、高一になったばかりだからちょっと遅い入学かな。
両親の都合と母さんの推薦で転校したアルカディア女学園……何で田舎なのにアルカディアっていかにもお嬢様学園があるんだよ。
無駄に広いし、親は海外に行っているから寮暮らしになるんだけど。パンフレット見た時はゴージャスだし。
そんでもって校舎の中は意外とお嬢様!って言うわけじゃないし通っていた普通の高校と変わらなかった。まぁ………お嬢様学校だったらそれはそれで困るけど。
斜め45度くらいのお辞儀とかごきげんようとか、オーホッホッって言う金髪縦巻きロールのお嬢様との会話とかそう言うの堅苦しいのは私には無理だから。
だから、めちゃめちゃ安心した。さほど変わらない平凡だけどそれがいい日常。
しかし、そんな日常はすぐに破壊されてしまった。
「ひょうがつばき?」
ひょうがって凄い名字だな、氷河期のようなめちゃめちゃ冷たい女だったりして。
「氷河期の河を中華の華に変えて氷華椿。えっと……あ、今先輩に呼び出されたあの子」
指す氷華椿と言う女の子は、おさげにそばかすで八十年代のでかくてださい眼鏡で暗い雰囲気が伝わってくる。
正直に言えば綺麗じゃないし可愛くもない、地味な女の子だ。
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