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私は氷華椿さんを追いかけて旧校舎へやって来て、悲鳴が聞こえたので駆けつけたら事件現場を目撃した。
私の見間違えなければ、氷華さんは見た目は地味で暗くて髪はおさげ、それでそばかすにでかくてださい眼鏡をかけている。ぶっちゃけ言えば華がない女の子。
………って言うのが氷華さん最初の印象。
目の前にいるのは、濡れ羽色のようなロングストレートヘアで顔はモデル、女優にも負けない顔つき。氷華椿さんとは正反対の美少女だ。
しかし、彼女のネームには氷華椿と書かれていた。つまり最初の印象と目の前にいる少女は同じ人だって言うことがわかってしまった。
…………冷静に考えてみると、私さ………危険だよね?
先輩方、床で延びてると言うか気絶しているし、何でこうなってしまったのだろう。
さっきから無言の重圧、氷のような冷たい目線で私を蛇睨み。カエルと言うより卵の気分だ。
動けなければ声に出すことも出来ない。
食べられるか助けにくるのを待つしか出来ない………誰か助けて。
「うぅ…………」
S・O・S。受信が先輩に伝わったかどうかはわからないけど、気が着いた瞬間だった。
「ごふっ!」
あっさりと氷華さんの踏みつけでまた眠りについた。
ついでにちょっと先輩に同情しました。
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