七章

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「よし。これで全員分かな…。」 空はお茶を膳に乗せ、広間まで持って行く。 「失礼します。お茶が入りました。」 そう言って、広間に入る。 広間にいる皆は難しい顔つきで、何かに思い悩んでいる。 空は邪魔をしない様に、お茶を配る。 「…何かあったんですか?」 全員にお茶を配り終えたところで、毛利に問う。 「…それが…。古高君が、新選組に捕まったみたいなんだ…。」 「?! 新選組に?!」 空は驚きのあまり、膳を落としそうになる。 「…今夜には会合を開く予定だ。空君も参加してくれるか?」 毛利は真っ直ぐ空を見つめる。 本当は参加したくない。 新選組の事に触れたら、屯所で暮らしていた事を思い出してしまうから。 …戻りたくなってしまうから。 しかし毛利の目は、すがる様な目。 …参加してくれないと困る、という目。 そこで空は決めた。 …参加する、と。 「…はい。」 空は俯きながら、小さく言った。
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