八章

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「坂本さん。空困ってますよ。」 ふいに坂本の後ろから声がした。 「…以蔵?」 声を発したのは、岡田だった。 岡田はふざけた様子もなく、真っ直ぐ坂本を見つめる。 「それに今は空の話ではなく、襲撃の話です。」 「…まったく、以蔵にはかなわんぜよ。」 坂本は苦笑い気味に言う。 空は内心少し安心していた。 もしあの時以蔵が助け船を出してくれなかったら、今頃はとても変な嘘をついてただろうな…。 皆の前で長州藩が好きだから行けません、なんて言えないし…。 ご飯が下手だから行けません。 ………私絶対こんな事言ってただろうな……。 自分で悲しくなる……。 空は一人部屋の隅で落ち込んでいた。
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