八章

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しばらくすると、奥に回って中の様子を見て来た隊士が戻って来た。 「いたか?」 「はい。どうやら此処が本命の様です。」 近藤は隊士の言葉を聞くと、あからさまに困った顔をする。 「本命は四国屋だと予想していたから、こっちは隊士が少ないぞ…。」 「でも今乗り込まないと、土方さん達が到着するのを待っていたら会合が終わっちまうぜ?」 へぇ…。 本命は四国屋だと思ってたんだ…。 だからこんなに人数が少ないわけね。 空は隊士の数を見ながら心の中で呟く。 「乗り込みましょうよ、近藤さん。」 沖田は短く言う。 その声は小さいけれど、どこか凛としたものがある。 近藤も悩んだ末に乗り込む事を決めた。 ………!! 乗り込ませるわけにはいかない!! 空は乗り込もうとしていた近藤らの前に立ちふさがった。
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