八章

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「すいません。」 吉田は台所に着くと、近くにいた主人に話し掛けた。 「あの、空って此処に来ました?」 「空ちゃんですか? 膳返しに来てくれましたけど。」 膳を返しに来た…。 やっぱり俺の早とちりか? 吉田は困惑しながらも、主人に問う。 「空、部屋に戻って行きました?」 「えぇ。少し前に戻って行かれました。」 主人は不思議そうな顔をしながら頷く。 少し前に? だったらもう部屋に戻ってないと変だ…。 …空…。 「すいません、ありがとうございました。」 吉田は小さく頭を下げると、急いで台所を飛び出す。 ……何か嫌な予感がするんだよな……。 何かが突っ掛かる…。
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