八章

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ーー池田屋前ーー 「今この中では会合が行われている。それを知っての行動か?」 急に現れた人に驚き、新撰組は刀に手を当てる。 「……だとしたら、どうなんだ?」 永倉は空に気付いていないのか、今でも刀を抜ける態勢になっている。 「…私が全力で守る。この中には一歩も入れさせない。」 空は目の前にいる近藤を睨む。 暗くて顔がよく見えないけど、この声…。何処かで…。 「……近藤さん、下がって下さい。」 沖田は不思議な気持ちを抱えながらも、近藤を自分の後ろへ行く様に言う。 「君さ…、僕と何処かで会った事ある?」 「…………。」 空は黙ったまま沖田を睨み続ける。 しかしその目は沖田が聞いた瞬間、少しだけ揺らいだ。 沖田は見逃さなかった。 「おい、総司!! こんな時に何やってんだよ!!」 後ろから永倉の声が聞こえる。 沖田は構わず続ける。
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