八章

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「皆っ!!」 私は勢いよく皆が集まっている部屋の窓を開ける。 「な、何だ?!」 「空?!」 「何が起こったんじゃ?!」 部屋にいた毛利さん、以蔵、龍馬さんが同時に声を上げる。 私は構わず稔麿に頼まれた事を伝える。 「新撰組が攻めて来ました!! 今すぐに逃げて下さい!!」 「な、何?!」 部屋は一気に騒つき始める。 「もうすぐ此処にも来ます!! 窓から逃げて下さい!!」 「だが…。」 「早く!!」 私は強く言い放つ。 一刻でも早く逃げてくれないと…。 「…分かった。」 以蔵が皆を外に出る様に指示を出す。 私が…。すべき事は…。 「………っ!!」 私は勢いよく襖を開けて廊下に出る。 私に…私に出来る事は、皆を助ける事。 一秒でも長く時間を稼いで、皆を逃がす。 ただそれだけ。
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