166人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい空!!」
後ろから以蔵の呼び止める声がする。
空は振り向き、
「…以蔵、死なないでよ。」
とても悲しい顔をして微笑む。
それは悔しい程、綺麗で…。
「空っ!!」
空は以蔵の言葉と同時に、駆け出す。
一階はもう既に血の海だった。
床や壁一面に血、血、血。
目が眩む程部屋は真っ赤になっていた。
その中に一際目立つ、浅葱色の羽織。
かつて一緒に暮らした仲間。
私は今から、この人達を斬らなければならない。
………私に出来るの………?
刀を抜ける…?
最初のコメントを投稿しよう!