八章

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「おい空!!」 後ろから以蔵の呼び止める声がする。 空は振り向き、 「…以蔵、死なないでよ。」 とても悲しい顔をして微笑む。 それは悔しい程、綺麗で…。 「空っ!!」 空は以蔵の言葉と同時に、駆け出す。 一階はもう既に血の海だった。 床や壁一面に血、血、血。 目が眩む程部屋は真っ赤になっていた。 その中に一際目立つ、浅葱色の羽織。 かつて一緒に暮らした仲間。 私は今から、この人達を斬らなければならない。 ………私に出来るの………? 刀を抜ける…?
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