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「わざわざ部屋まで送って下さり、ありがとうございます。それでは。」
空は部屋に入ろうとした。
だが、腕をガシッと掴まれた。
「待て。話がある。座れ。」
斎藤は空の部屋の前にある縁側に座った。
「なんですか? 話って。」
空はとりあえず聞いてみる。
「単刀直入に言う。お前、長州の間者だな?」
「………ハァ。バレてましたか。そうです。私は長州の間者です。」
「やはりか…。あと、もう一つ分かる事があるんだが。」
「…? 何ですか?」
空には何の事か分からなかった。
「お前は女だろう?」
「……っ!!」
「図星か…。」
「斎藤さん。一つだけ、見抜けてない部分がありますよ。」
天井から声が聞こえた。
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