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☆☆☆
*疾風*
ガン!ガン!ガン!
台所からすごい音がする。
切り方を知らない紫蘭が思いっきり包丁を振り上げてニンジンを切っているに違いない。
この調子じゃ、タマネギもどこまでむいていいか分からず、ちっちゃくなるだろう。
「はぁ…」
棗斗は向かい側で本を読んでいる。
やっぱり紫蘭にやらせるんじゃなかった…
☆☆☆
1時間後…
「できた~!」
すごく時間かかったけど、初めてにしては上手にできた♪(自己判断)
私はおっきい声を出したから、疾風と棗斗がリビングに来た。
「さ、どうぞ♪」
私はテーブルの前に2人を連れて行き、その2人の前にカレーを置いた。
すると、疾風が
「…何つくる事にしたんだっけ?」
と、聞いた。
「カレーでしょ?けっこう上手にできたでしょ?」
「…カレーって知ってる?」
今度は棗斗が聞いた。
「は?だからこれでしょ?
何、アンタカレー…」
「知ってる。知ってるからこそだけど、これ、材料はカレーだけど、カレーじゃない」
「そう。カレーじゃない。これはもはや…
人間の食べるものではない。
もう…なんて言っていいかわかんないくらいに」
「なっ!失礼な!料理は味っ!」
「「味見しなくても分かる」」
「何なの?!2人して!」
悔しくて、カレーをひと口食べた。
「……」
ダッ
トイレへ直行→
「はぁー…」
「どんな味だった?」
疾風が聞く。
「…なんというか…
この世のものとは思えない味がし
た…
まだウ○○食べた方がマシなくらいに」
「お前、女のくせにウ○○とか言う
なよ」
「でも、本気で思った…」
「金もったいな」
棗斗が言う。
「しょうがないじゃん!」
「はぁ…
俺がつくり直す」
「「は?お前(アンタ)料理できるの?」」
「は?お前らなめんなよ?どっかの
バカとは違うんだよ」
「…私?!」
「「他に誰がいんだよ」」
「…すいません」
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