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☆☆☆
昼休み、私は1人でトイレに行った。と、その時、
「アンタ、天宮紫蘭だよな?」
先輩5人くらいに呼び止められた。
「はい、そうですけど」
「ちょっと来い」
「?」
私は何も考えずについて行った。
ガンッ
「お前、1年のくせにあの2人と同じ部屋なんて調子乗ってんじゃねぇよ」
近くのゴミ箱を蹴飛ばしながら、先輩Aが言う。
私が連れて行かれたのは、ひと気のない南校舎の理科準備室。
またか…
「クジ引きで決めたので、しょうがないじゃないですか」
私がフツーに返すと、先輩たちはイラッときたようで、
ダンッ
「お前ホントに調子乗ってんじゃねぇぞ」
壁に追い詰められた私の顔の隣に勢いよく手をつく。
そんな事されても怖くないのですが…
この状況はヤバい!
リンチされそう!
と、思ったら、
「おい」
と、先輩Aが廊下に向かって叫ぶ。
そのとたん、男の先輩たちが入ってくる。
「コイツをボコせ」
そう言って、女の先輩たちは教室から出て行く。
「コイツか~。けっこうかわいいじゃん♪
ボコすんじゃなくてちがう事しねぇ?」
「お?何するんだ?」
男の先輩Bが聞く。
「例えば…
キスするとか☆」
「お~、いいなぁ♪」
は?
「はぁぁ?!」
私は思わず叫んだ。
「よし、順番でしてくか~」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
私が逃げようとすると、ぐっと手首を掴まれた。
「おっと、逃がさないよ」
また壁に押さえつけられる。
力が強くて逃げられない。
だんだん顔が近づいてきた。
もうムリだ…
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