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ガターンッ
ドアの方から音がした。
振り返ると、ドアが倒れてる。
「何やってんの?」
そこには、相変わらず無表情な…
「な…つと?」
「何でだ?!カギは閉めたはずなのに!」
「こんなドア余裕で倒せる」
つかつかとこっちへ近づいてくる。
「何そんな女に男が寄ってたかってるんだ、バカ」
「なっ!…このっ!」
先輩Bが棗斗に殴りかかろうとした。だけど…
スッと避けると、蹴りをいれた。
「うっ」
先輩Bは倒れた。
今度は先輩C、Dが一気に殴りかかろうとした。
それもフツーに避けて、一気に蹴る。
「ソイツ、返して」
「何だと?1年のくせに生意気な!」
こりずに殴りかかろうとするが、やっぱり簡単に避けて、今度はお腹にパンチをいれた。
「お、覚えてろよ!」
先輩たちは、負けた時の捨てゼリフをはいて逃げてった。
私は力が抜けて、床にぺたんと座りこんだ。
「…お前、何やってんの?」
「え…、ちょっとね」
テキトーにごまかすと、棗斗は私の頭を撫でながら、
「怖かったんだろ?もう大丈夫だから…安心しろ」
ダメ…
泣いちゃダメなのに…
私はこらえられずに泣いてしまった。人前で泣いたのは初めてだ。
急に、大声をあげて泣いてる私を
棗斗が抱きしめてきた。
「俺が…
守ってやる」
私はその言葉を聞いて、また涙を流した。
初めて誰かの言葉で安心できた。
今までそんな事あまりなかったのに…
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