プロローグ

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窓から暖かい風が吹き込んでくる。 オレは教室の窓際、一番後ろの席で外を眺めていた。 校庭には部活に励んでいる生徒がたくさんいる。陸上部やサッカー部なんかの屋外競技はもちろん、バスケやバレーといった屋内競技も走り込みをしている。オレは帰宅部だがああいう、スポーツに打ち込んでいる姿を見るとこっちまで青春を感じる。気がする。 ところで。 なぜ帰宅部のオレが放課後まで教室に残っているのか、理由を説明しよう。 簡単に言えば補習だ。 オレはどうやら、この前のテストで英語が壊滅的だったらしく、我が英語担当、長縷秋帆先生が補習をしてくれるということになったのだ。正直めんどくさいかったが、せっかく補習をしてくれるのに、いかなかったら先生に悪い。なので放課後に残って補習をしているのだか…。 途中で板書がめんどくさくなり、今に至る。 「~~~~~♪」 先生はとても楽しそうに黒板に字を書いている。 (やっぱり書いたほうがいいかな…) そう思った瞬間。 キーン…コーン…カーン…コーン… 教室にチャイムが響いた。どうやら下校時間になったようだ。 「あっ、もうこんな時間?もうちょっとやりたかったな~…。」 先生は凄くがっかりしていた。 「じゃ、笹緯君。また明日もやるから、帰っちゃダメだよ?」 うぇ、明日もやるのか…。まぁ仕方ないか、諦めよう。 そんなことを考えながら帰り支度をしていると、 「そうそう!笹緯君にちょっと用があるんだ。」 と、永縷先生がそんなことを言い出した。 「用ってなんですか?」 「うん。ちょっと長い話になっちゃうから、学校外で話すつもりなんだ。だから私が行くまで校門の辺りで待っててくれるかな?」 また帰宅時間が遠くなるのかと言う気持ちと、先生の為だしと言う気持ちが頭に浮かんだが、オレの頭はどうやら後者を優先したらしく、 「別にいいですよ。なるべく早くお願いします。」 「ホント?ありがとっ!じゃ、なるべく早くいくねっ!」 そう言いながら、永縷先生は教室をでていった。 「さて、オレも早めに校門に行くかな。」 あんなこと言っておいて自分が遅れたら洒落にならないからな。 そしてオレは、校門へと向かった。 今思えば、先生の用というのを軽く受けてしまったことが、全ての始まりだった。そう、 オレの日常が壊れて行く…
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