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雨が強く。黒い空では雷が獣の声をあげている。
二人は歴史小説の話で盛り上がっている。
「沙耶こないだ貸した歴史小説読んだか?」
「まだ読んでるよ。何処かの歴史オタク見たくすいすい読み終わりませんよ。」
「は!?まだ読んでねーのか?何処まで読んだ?」
「う~んと…確か黒田官兵衛が荒木村重の城に幽閉される所かな??」
「お前!?」
信繁は立ち止まり固まってしまった。
「え!?どうしたのしげちゃん?」
すると信繁は沙耶の頭を撫で始めた。
「偉いじゃねーか。嫌がってる割りにはもう直ぐ上巻読み終わるじゃん。終わったら下巻も貸してあげるからな。」
沙耶は顔が赤くなってしまい上目遣いで
「フンッ!私だってあれくらいなら読めるんだから!!早く次貸しなさいよ。」
「そうだな!流石沙耶さんだな。じゃあちゃっちゃと読んでくれよな。これで俺も歴史好きの友達が増えてうれしーよ。」
「ふーん。そうなんだ。じゃあ下巻も貸しなさいよ。読んであげるからさ。」
「沙耶さん随分上目線ですね?人に頼むときはどうするんだっけ??」
(くっそーっ!!しげちゃんのくせに生意気な!!)
「貸してちょーだい。」
「ウックククっっ。あ…ハッハッハ。おもしれー…貸してちょーだいだって沙耶超面白い。言われなくても貸すっての」
後ろで沙耶が黙って威圧するオーラを出している。
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