通勤電車

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その日も、ギュウギュウ詰めの満員状態。身動きひとつ出来ない。 すぐ目の前には中年サラリーマンの首が目に入る。 そこを伝う汗… 「やだな~首振られたら汗飛んできそう。」 なんて、考えてた。 あまりの人の多さなのか酸素が足りない気分。 段々息苦しく感じて気持ちが悪い。 立っているのが辛くて今にも座り込みたい。 だけど、身動きの取れない状態で 「やばい…倒れそう…」 頭の片隅で考えてたら隣、正確には右上から 「辛いんでしょ?もたれてていいから」 低いけど、怖くない耳に優しい声が降ってきた。 気持ち悪いながらも、 「大丈夫です。」 振り絞る声で返すと 「顔 真っ青だよ 倒れたりしたら大変だから、電信柱と思ってもたれてよ」 ハンカチで口元を押さえながら、そっと顔を見上げると、優しい笑顔の彼がいた。すると私の左肩を軽く押されて、体重を彼に預ける形となった。
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