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あったまくる
あったまくる
あったまくるー!!!
思わず近くにあった電柱をゲシッと蹴ると、
たまたま通りかかったジョギング中の太ったオッサンが
「うおっ」
と声を上げた。
でもそんなの気にしない。
電柱を蹴った足がジンジンするのも気にしない。
とにかくあたしは腹が立っているのだ。
美央と約束している2時から30分遅れでカフェに入ると、
美央があたしの顔を見たとたん
「…随分荒れてるね。」
とため息をついた。
あたしは無言で美央の正面に座って
持っていたエルメスのカバンをバサッと放り投げて、
「ふられた。」
と言うと、
美央が目をまんまるくさせた。
「マジ?」
「いや、正確にはふられてないけど。」
「どういうことよ。」
どういうことなのかはこっちが知りたいわよ!
と言い掛けたセリフをぐっとこらえて、あたしは思い出すだけで腹が煮えくりかえしそうな昨日のことを、もう一度頭の中で整理した。
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