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「あたしたち、相性良いみたいですね、付き合っちゃいます?」
冗談めかしてあたしは言った。
いつもだったら
『ほ、ほんとに?』
と相手は言う。
どんなイケメンでもどんなモテ男でも、この時ばかりは焦るのだ。
『…あなたが遊びのつもりだったら、いいんですけど。』
と、ここで少し目を閉じて悲しげな顔をすればもう完璧。
落ちない男はいない。
でも、この日ばかりは違った。
「うーん、姫菜ちゃん可愛いんだけどねー。」
ああもう、思い出すだけで腹だたしい。
「俺のタイプはさー、なんかこうちっちゃくて、儚げで、なんかこうどこか影のある子なんだよね。守ってあげたくなるようなさー…」
とヤツは永遠と自分の好みのタイプを述べた挙げ句、
「でも、姫菜ちゃんは可愛いから、俺の愛人ってことでどうかな?」
と、さっきまで振りかざしていた、その股間についてる汚いブツを噛みちぎってやろうかと思うようなセリフを言ってのけたのだ。
他でもない、このあたしに向かって。
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