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でも彼は誰とも付き合わない。
咄嗟に隠れた自販機の裏で、私も彼の言葉を待った。
「……ごめん」
彼がそう言った瞬間私の心臓がドクンと大きく鼓動した。それと同時に風が吹き桜が舞い散った。
「………校則違反。先生には黙っとくから」
彼は彼女を見ることなく踵を返して校内に入っていった。彼女はその場に泣き崩れた。
「痛い……」
胸が痛い。ココロというモノが悲鳴を上げている。
頭の中で警報が鳴り響く。もうこの想いを捨てろと、あの子と同じようになりたいのか、と。
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