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部屋に緊迫した空気が張り詰める。
英明も、それは同様だった。
被害者の殺し方がまったく不明となっている今回の事件に、捜査員達は頭を抱えずにはいられなかった。
犯人像もまったく見えてこなかった。
「……弱ったな」
そう呟いたのは、安藤だった。
「どうやって、被害者は殺されたんだ」
別の捜査員が言った。
「結局、自殺の線が一番有力か?」
「だが、口に何かを含めるところなんか、監視カメラの映像には映ってなかったぞ」
「被害者が悟られないように飲んだとか」
「そんなの会見で言えると思うのか!?」
雛壇に座る一人が怒鳴った。
捜査員が黙った。
「……一刻も早く真相を究明するんだ、いいな」
捜査会議が終わると、役割分担されて英明達は安藤の指揮するグループに加入した。
英明達の役割は、基本的に被害者のすべての事柄を調べることだ。
「君達は、まず被害者と一緒に帰ったという友達二人に話を訊いてきてくれ。二人は自宅にいるらしいから」
安藤は英明達に言った。
英明と誠は、はい、と返事をした。
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