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英明はもう一度監視カメラの映像を見た。
早送りではなく、普通の速度で。
雑誌を読む純平。
英明はあることに気がついた。
「外を気にしてるな」
英明は呟いた。
気付けば横にいた誠が、何、と言って画面に食いついた。
「……確かに、よく外を見るな。親に迎えを頼んで、車を見てたんじゃないのか?」
「……駅から歩いて帰るなら、家はそう遠い距離にあるとは考えづらくないか?」
「まあ、確かにな」
「……とりあえず、今は保留だな。今度、被害者の家を訪ねればわかることだ」
「……あとは不自然なところは?」
英明は腕を組んで、画面を睨んだ。
「……ないと思うが……まったく、犯人はどうやって被害者を殺したんだ」
「……遅延性の毒とか、カプセルとか使ったとは?」
「……司法解剖の結果待ちだな」
誠も腕を組んだ。
「とにかく、時間が過ぎれば少しは事件が見えてくるんじゃないか?」
お前が来る前には、実はやるべきことは終わってたしな、と誠は続けた。
「なら、俺がしたことは無駄だったのか?」
「なに、確認さ。助かったよ、刑事さん」
英明は誠を睨んだ。
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