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巧が病院に到着したのは、それから15分後くらいだった。
「あなた」
美智子は巧に駆け寄った。
巧は今まで見たことないような面食いな顔で、美智子の両肩を掴んだ。
「純平は!?」
美智子は俯いた。
「私がご案内しましょう」
そう言ったのは、背が高いスリムな体型をした男性だった。
男性は警視庁のバッジを見せ、警察手帳も見せた。
そこには、坂本英明と書かれていた。
「誠にお気の毒なことですが、搬送されて間もなく、純平君は死亡が確認されました。謹んで、お悔やみ申し上げます」
美智子はそれを先ほども聞いていた。
多分、坂本と名乗る男性は、父である巧にも通例として言ったのだろう。
「……純平は?」
巧は言った。
「こちらです」
坂本は言った。
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