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昔、小さな小さな女の子がいました。
彼女は、その小さな首を傾げて大きな太陽に問いました。
「どうしてみんな『無』なの?どうしてここは何もないの?」
大きな太陽は首を傾げました。
「ここには、空も土も人も草も花もあるよ?」
大きな太陽は小さな女の子を見下ろしながら言います。
小さな女の子はまた首を傾げました。
「形はあるけど心がないわ」
その言葉を聞いた大きな太陽は、驚いて目を見開きました。
「みんなみんな、頭では色々考えるのに、心の中が真っ白」
「それはね、リトルベイビー?虚無というものだと思うよ」
大きな太陽は小さな女の子にそう言いました。
「虚無というのはむなしいものね」
小さな女の子は言いました。
大きな太陽は小さな笑みを残して、西の地に消えていきました。
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