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第零話 復讐を終えて……
病院で目覚めたキルは、皆にただ今とは告げたが、正直生きて帰るつもりはなかった。
それに、自分はもうレッドハート軍を脱退した身だ。
皆と自分の繋がりなど何もない。
キルはそう思い、表情に陰を落とす。
それに皆も気付く。
だが、総帥がキルの視界の中に入る。
「総す……」
キルが名前を呼ぼうとした時、総帥の平手がキルの頬を勢いよく叩いた。
「本来ならば拳なのだが、君は怪我人ということで平手で妥協した
だが……平手打ちも結構痛い……」
総帥は赤くなった手を念入りにさする。
だが、コホンッと咳払いをし、キルに視線を向ける。
「君は数々の勝手をやってくれた
お陰で我々は多大な迷惑を被った
自覚はあるかね?」
「……はい。申し訳ありません」
キルは起き上がれないため、頭を下げることは出来なかった。
「更に君は遺書のようなビデオレターまで残し、死にに行くような無謀な真似をした」
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