第零話 復讐を終えて……

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ゼルはキルに向かって笑った。 だがキルは辛そうに目を伏せる。 「ですが……俺は身勝手な理由でレッドハート軍を脱退し、人をこの手で殺めた また皆さんと関わりを持つことなど……「誰が脱退など許可した」 総帥がキルの言葉を遮るように口を開く。 「私は君の勝手な行動も脱退も、一切許可を出した覚えはない」 「しかし!」 「君が敵を殺めてしまったのは、君の異変に気づけなかった私の失態でもある キル“伍長” 次は止める 君にこれ以上痛みを重ねないと、レッドハート軍の者達全員で約束をする だから、君も私達を痛みから守ってくれ だが、君が殺めてしまった者達のことも忘れてはいけない 君は自ら罪を作り上げてしまった 君の根は優しい 一生その罪に心を痛める結果になるだろう だが、忘れてはいけない 己の罪を受け入れ、生きてくれ」 キルは表情を隠すように包帯で覆われた腕を顔に乗せた。
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