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ゼルはキルに向かって笑った。
だがキルは辛そうに目を伏せる。
「ですが……俺は身勝手な理由でレッドハート軍を脱退し、人をこの手で殺めた
また皆さんと関わりを持つことなど……「誰が脱退など許可した」
総帥がキルの言葉を遮るように口を開く。
「私は君の勝手な行動も脱退も、一切許可を出した覚えはない」
「しかし!」
「君が敵を殺めてしまったのは、君の異変に気づけなかった私の失態でもある
キル“伍長”
次は止める
君にこれ以上痛みを重ねないと、レッドハート軍の者達全員で約束をする
だから、君も私達を痛みから守ってくれ
だが、君が殺めてしまった者達のことも忘れてはいけない
君は自ら罪を作り上げてしまった
君の根は優しい
一生その罪に心を痛める結果になるだろう
だが、忘れてはいけない
己の罪を受け入れ、生きてくれ」
キルは表情を隠すように包帯で覆われた腕を顔に乗せた。
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