第一話 やっぱり最初はギャグで行こう

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――ヶ月後 キルはとりあえず一人で歩く程度には支障がない程に回復し、レッドハート軍に帰って来ることが出来た。 余りの回復力の良さに医者は目を皿にしていた。 確かにレッドハート軍の者達からも血を分けて貰い、全身の傷は手術で塞ぎ、腹部の傷は臓器を随分傷つけていたが、治療により異変も起きず回復を見せた。 だが、キルは二回心臓が止まった。 にも関わらずほとんどの記憶が残っていた。 ただ……腹部を剣で貫かれてからは記憶が曖昧で、修羅となってからの記憶は一切なかった。 そのためキルは……アランという兄の存在を知らない。 彼の遺体をレッドハート軍の者で捜索したが、彼の剣だけが見つかり、彼の遺体は骨さえ見つからなかった。 キルは落ちた筋肉を戻すため、とりあえず歩き回っていた。 その時 「キル伍長」 名前を呼ばれ、キルは振り返る。 「げっクロム大佐……」 「人の顔を見て『げっ』とは何だ 失礼な」
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