2-2.シィーラの刃

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 それでも不思議とフィーナを信じることができる。フィーナの言う一族の血がそうさせるのか、フィーナが無表情ながらも澄んだ眼差しを向けてくるからなのか……。いきなりの話を疑う自分とは別に、目の前の少女の存在だけは素直に受け入れている自分に気が付いて、僅かに驚く。 「姉さん、大丈夫だから。シュリンもね」  情けないほど心配そうな表情のメノウと、その後ろで不安そうに瞳を揺らしているシュリンに優しく声をかける。  目が合うと、未だに不安そうではあるがシュリンは小さく頷いた。 「でも……」  メノウはまだ納得できないようだった。リクラムの手を掴んだまま今にも泣きだしそうな震えた声を絞り出す。  姉相手にはどうにも弱いリクラムは困り果てた。メノウが本当に心配してくれているのは分かっているため、これ以上何と言って良いのか分からなかった。  そこに助け舟が入る。 「メノウ。リーくんが大丈夫だって言ってるんだから信じてあげなさい。あんたはリーくんのことになると過保護すぎるのよ」 「うぅ……」  静観していたマナが子供にでも言い聞かせるように言った。親友であると同時に、学生時代から保護者のような存在でもあったマナに対し、メノウはこういう状況では滅法弱いようだ。メノウはすがるような視線をマナに向けたが、マナはそれ突っぱねる。  視線をマナから横にずらすと、アウルが真剣な表情で事の成り行きを見守っていた。アウルは何も言わなかったが、なんだかその視線に背中を押された気がした。
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