2-2.シィーラの刃

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 すべてを見透かされているような気がした。リクラムの動揺はさらに大きくなっていく。  リクラムが次の行動を起こせないでいると、何か固い物をこすり合わせたような鋭い音が響いた。  次の瞬間、無機質な部屋に一筋の彩が生まれた。最初は糸のように、徐々に龍のように姿を変えていく紅蓮。  リクラムは咄嗟にシュリンを見た。シュリンは二つの発火石を両手に持ち、鋭い視線をフィーナに向けていた。  発火石から飛び出した火花は最早龍と化していた。  ファイアー・スワローの昇華、炎龍。  すべてを焼き尽くさんばかりの熱が空間を支配した。視界は一面強烈な赤色に染まり、熱風が渦巻く。  リクラムは思わず袖で顔を覆った。  フィーナはゆっくりとシュリンの方に振り向き、猛然と迫る炎龍を静かに見据えた。そして無造作に刀を掲げると、無駄のない動きで一気に振り下ろした。  刀が炎龍に触れると、さもそれが自然であるかのように龍は二つに分かれていく。両断された炎が訓練室の壁にぶつかって拡散した。それでも訓練室の壁は燃えることも、焦げる事すらない。 「あなたが誰であろうと関係ないわ」  拡散した炎龍の残り火を瞳に映しながら、凛とした声でシュリンが言った。 「世界に害なす者なら倒す。それが砕刃師の役目よ」
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