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『僕の大切な双子達は、其々が異なる神様に愛されていたんだ。 それに母親たる綾もまた、別の神様に愛されていた』
神様って、何人いるの?
『内緒だけどね、数えきれない程居るんだよ』
しかも、と父さんは続ける。
『力のある神様程、暇を持て余していてね? 僕ら人間達の人生に色々ちょっかいをかけて、暇潰しをしているんだ』
んま!
「うざい!」
俺も同感だよ、和美さん。
『まあまあ』
押さえて押さえてと、また少し大きくなった父さんは言う。
『で和美に幸運を与えた神様と、綾を気に入った神様が、また不仲でねぇ』
母と娘で、別々の神様がご贔屓?
しかも、仲が悪いの?
『そう、寄ると触ると口喧嘩する仲だったそうだよ。 でね? 綾の神様が、無事に双子を産みたいと願う綾の思いに応えて、消える筈だった和泉に、自分と仲の良い神様をくっ付けちゃって、和美の幸運に和泉が負けない様にした訳』
和泉の人生・16年の軌跡は、和美の超ラッキーな人生の反発から生みだされた、神様がくれた奇跡だったのか。
「あんたも意地悪親父に引き摺られて、卑屈にならないの!」
コツンと、和美におでこを小突かれた。
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